惣身漆を磨いた後、椀に下地漆を付けていきます。
下地の漆は砥の粉、米のり、生漆、そして地の粉を混ぜたものです。
地の粉には一辺地粉、二辺地粉、三辺地粉とあります。
これは粒子の細かさの違いで一辺地粉が一番粗い粒子のものです。
その為まずは一辺地漆を付けます。そして輪島ではこの時に地縁(じぶち)引きという作業も一緒に行います。
これは欠けやすい上縁と高台の強度を増す為に下地を付けた後、上縁と高台に生漆を塗る作業です。
堅牢な輪島塗はこれらの作業でよって生まれます。
上の写真は地縁引きの際、上縁に生漆を塗る為に使う桧皮(ひかわ)へらです。
桧(ひのき)の皮にのり漆で麻布を巻いて、へらの形にしたものです。
桧皮へらの先端は桧の皮を露出させ、ほぐしてあります。
へらと呼ばれていますが刷毛のように使います。
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